[米を炊く 002]みかこさんの話
暮らしの中で淡々と繰り返している
「米を炊く」ということ。
私にとっては、当たり前のように
そこにある行為だけれど、
みんな、どんな風に、どんな時に、
米を炊いているのだろう。
そして、その周りにはどんな日々が
続いているのだろう。
身近な人たちに、
それぞれの「米を炊く」と、
その周りにある日々のことを聞きました。
今日は、みかこさんから聞いたお話です。
みかこさん
新潟市出身、在住。事務員 兼 料理上手お断りの料理コーチ。夫と息子2人との4人暮らし。さっと現れて楽しいお話をしてワハハと笑っているうちに、すっといなくなる。去り際の素敵な方です。最近ずっと仏教にはまってらっしゃいます。
みかこさんの米の炊き方
1. 息子たちに米を研いでもらう
2. 少なめの水を入れ、炊飯器にセットして、早炊きモードで炊く
うちは、水曜日は麺の日で、土日はパーティーなので、月火木金にお米を炊いています。高3と中3の息子たちは私よりも早く家に帰ってくるから、お米を研いでおいてもらって、私は帰宅したらすぐに炊飯器をポチっと押す係です。うちはみんな硬いご飯が大好きなので、浸水なし、水少なめの早炊きで炊いてる。
私、雨の日は夏でもコートを着て長靴を履くくらい、水に濡れるのが嫌いなの(笑)だから、息子たちに米を研いでもらって、主人に洗い物をしてもらってる。料理をつくるのは好きなんだけど、水に濡れることを思うと憂鬱になるから、そこを分担してそれぞれ得意なことをしてるって感じかな。
夢中になっています
今、スリランカカレーに夢中なの。スリランカ出身の先生が英語でカレーづくりを教えてくれるスリランカカレー教室を見つけて。カレーにも興味があったし、海外で料理を習いたいと思っていたから、「それが叶うじゃん!」と思って通い始めたんだけど、すっごい楽しい。手軽でおいしいから、家でもつくるためにスパイスを取り寄せて、夢中になっています。
それに、スリランカは仏教国だから、そのこともすごく気になっているの。でも先生はクリスチャンで、仏教にはあまり関心なさそうなんだけど(笑)食べ物のエピソードはいろいろな歴史が絡んでいて、人を知ることにも繋がるなと思うから、すごく楽しい。やっぱり知りたいことを研究するのが勉強なんだなって思う。
待ってる時間をすごく長く感じちゃう
醬の糀をもらったからつくってみようと思うんだけど、私はせっかちで、さっとできることに喜びを感じるから、醬のようにまったり育てる発酵食品づくりは向いてないんじゃないかと思って、まだはじめられずにいるの。
子どもの頃、隣に住んでいた親戚のおばあちゃんがぬか床を混ぜているのを見て、「わー素敵だなー」と思ってたけど、いざ大人になったらスピード的に私には向いてないなと感じたんだよね。発酵を上手に活用している人たちは、ゆっくり待つ過程を楽しめるんだもんね。私は、忘れることができないから、待ってる時間をすごく長く感じちゃうんだよね。でも、発酵食品について生徒さんに聞かれることも多いから体験はしておきたいし、もう少し研究して醬はつくってみようかな。体や口に合う人もいっぱいいるだろうから、そういう人たちに簡単においしくできる方法を紹介できたらいいよね。なんか楽しそうだし。
少し喋ってみたら楽になることもあるかもしれない
オンラインで生徒さんの料理相談に乗るのもいいなと思ってるんだよね。コロナ禍になって、積極的に外に行くのが難しくなったり、家族がリモートで仕事をしているから家の中で自分の時間をつくることが出来なくなったりして、鬱々と過ごしている人がいると思う。そういう人たちも「料理相談」って名目で少し喋ってみたら楽になることもあるかもしれないし、私も、みんながどんなことに困っているのかリアルな声を聞きたいの。というのも、いつか、みんなの料理の困り事に私が答えて、それを試した結果「こんなことになりましたよー!」っていうストーリーを集めた本をつくりたいと思っているの。私みたいに手が水に濡れるのが嫌で家事に乗り気になれないって人には、こういう料理法があるよ、とか切実な声に答える本をつくりたいんだよね。その為にガシガシ取材して書かなきゃ!と思っていたけど、まずはもっと気軽に、今現在鬱々とした気持ちや料理の失敗談を貯めている人と話すのがいいのかも。失敗談を話してくれたら一緒に解決の糸口を見つけられるかもしれないし、私にとっても本づくりの参考になるはずだし、お互いに良さそうだね。さっそく、やってみようかしら。
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